オーケストラアレンジメモ – 短調の重々しいヒット
クラシック音楽を分解するメモ的な記事です。
ジュゼッペ・ヴェルディ作曲「レクイエムより『怒りの日』」
キーはト短調(Gminor)
よくテレビや映画などで耳にするオーケストラのワンフレーズです。
最初の4発のみ(笑)
※ちょっと音量に注意かも
1発のみ
〜更に分解〜
・木管のみ
・金管のみ
・弦楽器のみ
・ティンパニのみ
各楽器が鳴らしている音を画像で。
Picc(ピッコロ)、Fl(フルート)、Ob(オーボエ)、Cl(クラリネット)、Fg(ファゴット)
Hr(ホルン)、Tp(トランペット)、Tb(トロンボーン)、B.Tb(バストロンボーン)
Vn1(第一ヴァイオリン)、Vn2(第二ヴァイオリン)、Va(ヴィオラ)、Vc(チェロ)、Cb(コントラバス)
※追記メモ(殴り書き)
・各音の音量
和音の重ね方としては、ルート音のGが一番厚いわけですが、意外にも五度のDよりも三度のB♭をルート音と同じくらいの音量で鳴らしています。
耳に入ったときに一番目立って聴こえるのはGですね。
必ずしも各セクションのトップの音が一番目立って聴こえているというわけではなく、金管はホルンとトランペットのトップの音がトニックから五度のDです。
木管のトップの音はピッコロのGの音ですが、フルートはそのオクターブ下ではなくB♭を吹いています。
弦楽器はトップも底辺もG音。
・和音の重ね方
音域は D2〜B♭2 を割りと近い音で重ねていて腰がどっしりしている。
弦楽器は三音を同時に弾く重音奏法になっているとみられます。
調べたところ、弦楽器の重音奏法では 3度、4度、5度、6度、8度 の音程を演奏可能みたいですが、ここでは三度音程を含まないオープンヴォイシングで各楽器を入れ子にしています。
地味に管楽器の B♭2〜G3 が開いているのが気になります。
ここだけ第一ヴァイオリンとヴィオラだけがD3を弾いています。
・音色の混ぜ方
ファゴットとトロンボーン類を同じ音で混ぜています。
木管は、オーボエとクラリネットのB♭3だけ重なっています。
また、フルートは全楽器の中で単独でB♭4を吹いています。
まとめ
こうやって見てみると上から下までまんべんなく配置しているわけではないですね。
所々で偏っていたり、微妙に音量差があるような置き方になっていたり…。
倍音とかも計算しているのかな?とか考えるとヒット一発でも職人技のようにも感じますね。
もしかしたらヴェルディのフィーリングなのかもしれませんが…。
それにしてもこの曲、出だしから凄いインパクトで当時はかなりロックだったんだろうなと思います。
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