【アナライズ】チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲[127-130]

2017年12月17日

こんばんは、DTMでオーケストラアレンジを学ぶコーナーの時間です。

今回はピョートル・チャイコフスキー作曲「ヴァイオリン協奏曲」より127〜130小節目をメモります。

 

 

楽器編成(ここで登場するもののみ)

  • フルート:2
  • オーボエ:2
  • A管クラリネット:2
  • ファゴット:2
  • F管ホルン:4
  • トランペット:2
  • トロンボーン:1
  • ティンパニ:1
  • 弦五部

 

 

全体

 

 

イ長調(Amajor)

4/4拍子

 

【おおかまなコード進行】

A → E → Bm → F#

( I → V → IIm →  VI)

 

 

木管楽器

 

フルートがメロディーを、他の楽器は和音を刻みます。
木管のみはっきりとメロディー・和音・ベースが揃っています。

 

フルート:2
メロディーを2人ユニゾンして吹く。

 

オーボエ:2
和音を刻む。

 

クラリネット:2
オーボエと同じく和音を刻む。

 

尚、オーボエ2ndとクラリネット1stは音が重なっています。
(で色付けされたパート)

重ねてあるパートはフルートのオク下で、つまりメロディーをなぞるように音量が大きくなっています。

 

ファゴット:2
拍の頭でベース音を吹くものの、基本的に和音を刻む。

 

 

金管楽器

 

金管は全てのパートが和音の刻みです。
※画像上の2小節目2拍目、EとE♭がぶつかっていますが、これは譜面通りです。

 

ホルン:4
一人ひとり分かれて和音をガッツリ吹きます。
一番高い1stはクラリネットの2ndと重なっています。

 

トランペット:2
2小節ごとの持続声をオクターブユニゾンで吹いている感じです。

 

トロンボーン:1

Wikipediaを日英で見た限りでは、トロンボーンは編成に入っていません。
調べたところ、オリジナルの譜面にはトロンボーンはなく、後世に出版されたものにはホルン補強のために追加されているようです。
今回は打ち込み終わった後に知ったのでトロンボーンパートも入ったまま記事にします。
※ちなみに譜面はIMSLPの「 I. Allegro moderato」のものを参照しています。

 

 

弦楽器

 

コントラバス以外の全てのパートがメロディーを弾きますが、頭拍のみ重音奏法で和音を重ねています。

 

第一ヴァイオリン

部分的に重音奏法で和音を鳴らし、後はメロディー。

 

第二ヴァイオリン部分的に重音奏法で和音を鳴らし、後は第一ヴァイオリンのオクターブ下でメロディーを弾く。
4音以上の重音奏法は調べた感じヴァイオリンでは無理っぽいのですが、これは実際にはディヴィジしているのでしょうか。(楽譜には特に指定は書いてないのですが)
弦楽器に詳しい方教えてください。

 

ヴィオラ

部分的に重音奏法で和音を鳴らし、後は第二ヴァイオリンのオクターブ下でメロディーを弾く。

 

チェロ

出だしだけ重音奏法で和音を鳴らし、後はヴィオラと同じ高さでメロディーを弾く。

 

コントラバス

完全にベースの役割です。

 

 

打楽器

ティンパニ

コード進行上の ABm のときに叩きますが、Bm のときはルートから短三度の D を叩いています。
というのも、そもそもこの曲はニ短調で書かれており、ティンパニもトニック(D)ドミナント(A)の2台のみを想定しています。

この曲は二管編成と、大規模な編成に比べると制約があるので、そういった面でエコノミックに音を割り当てることもオーケストラの醍醐味だと思ってます。

 

 

まとめ

  • コード進行は I → V → IIm → VI の流れ
  • 全パート ff で強弱の変化はナシ
  • 弦楽器はコントラバス以外全てメロディーを弾く
  • 金管楽器は全て和音の刻み
  • 木管楽器は、メロディー・和音の刻み・ベースの役割で分かれている
  • メロディーをなぞるような音量の補強を部分的にしている
  • 頭泊でコード感がはっきりわかるようしている
  • 和音の刻みと中音域のメロディーの音域カブりは特に問題ない模様

とにかくシンプルなアレンジなので真似しやすいかと思います。